LAME とその他のMP3にまつわる個人的な観点

ここでは, 超個人的なメモとか思いとか日記もどきとか, まぁ, いろいろ書いてあります (笑)。

1999/12/19 エンコーダの比較

「どのエンコーダが一番いいんでしょう」よく聞かれることである。 さっきあった Linux Night でも叫んできたのでちょっと書いてみる。

そらまぁ, 自分の作ってるものが一番いいというのはあたりまえである。 某 MS なんかの広告とか見てると「自分でいって恥ずかしくないか?」 というレベルまで, 自分の作ったものを褒めちぎっている。

が, ここはフリーソフト。別に売れなくても何も困らない。ちょっとばかり, 公平 (ホントか……?) に, いろんなエンコーダを見てみようと思う。

FhG

誰が何といおうと FhG IIS MP3 encoder (v3.1) の音質は素晴らしい。 特に, 低いビットレートの時の音質の他との違いは感動的なものがあります。 が, 速度的も感動的に遅いです。私の celeron 464MHz(103x4.5) では, 1分の曲をエンコードするのに5分とか10分とかかかります。 まぁ, 一生保存する曲だったらこのぐらいかけてもいいのでしょうが, どうせそういう事するんだったらCDにそのまま焼いちゃうからなぁ…… ってなわけで, このあまりの遅さはちょっと没かなという気がします。 これでも昔よりは速いってことなんですが……

あと, FhG の MP3 エンコーダは, 昔は結構高かったけど, 今じゃそれなりに安い CDR ライティングソフトとかにも附属してくるし, 価格面ではそれほど気にならない気がします。

Xing

速い。とにかく速い。昔のように, short ブロック/bit reservoir を使わないので音の立ち上がりが駄目駄目とか, そういった音質面での問題もほぼ解決され, それほどではないにしろ, まぁ, かなりましな音質のファイルを結構な速度で作ってくれる。

もともと安かったし, あちこちのソフトにバンドルされてるし, いまではオンラインで$20程度で買えたりする。なんて素晴らしい。

とは言え, 一部の曲での音質面では結構辛いものがあり, 128kbps とかだと, 聞くに耐えないファイルが出来上がってしまう, ということがあります。 まぁ, これは VBR (可変ビットレート)を使えばかなり改善されます。 てなわけで, 売りもののソフトとしてはこれがかなりいいセンいってるんではないでしょうか。

bladeenc

こういってしまうと非常に悪いんですが, 何でこんなに有名なのかわかりません。 確かに, 一時期このソフトが唯一のフリーなエンコーダだったのは認めます。 でも, バグだらけの ISO のコードとそっくりの挙動 (つまり音質が悪い) で, 速度が速い (といってもほんの数倍程度) というぐらいしか利点がありません。

開発はいまだに続いているようですが, 私的にはもう使う必要性を感じないソフトです (作者の方ごめんなさい)。 最近は bladeenc 専用という GUI ラッパーも減ってきましたし……

作者の方は「高ビットレートにおいては bladeenc の音質は FhG より良い」 とかいってますが, 私の耳にはそうは*絶対に*そうは聞こえません。

午後のこ〜だ 2

速い。速過ぎる。その上ディアルCPUとかにまで対応。くらくら。 でも, エンジン部分のアルゴリズムが,結構古い LAME をベースに書いてあるので, 実は大きな地雷があちこちにあって時々ぼろぼろの音質のファイルができたりします。 また, VBR はかなりぼろぼろです (最新の LAME の VBR が優れているかというと, これまた疑問符なのですが, まあ昔のアルゴリズムよりはましでしょう)。

個人的には, 今の LAME はアセンブラで書き換える前にもうちょっと (かなり?) アルゴリズムとかを改良して, コードを落ち着かせる必要があると思っています。 なんせ, 毎週のように音響心理モデルに問題点や改良点が出てきてますから…… ご存知のとおり, こういったアルゴリズムの変更を, アセンブラで行なうのは C に比べて難しく, なんどもアルゴリズムを変更するのはアセンブラでは大変だと思います。 ということで, 手間を考えると, もうちょっと LAME のコードが安定してからアセンブラにしたらいいのに……とか私は思ってしまいます。

まぁ, 彼らも私と同じで, 伊達と粋狂でプログラムを組んでいるので, 止めることはできないし, そうしなきゃいけないわけでもないので, どうでもいいんですけどね…… 彼らも, LAME の新しいコードに追い付こうとしているみたいですので, 私も楽しみにしてます。

しかし, 速い。このコードはスゴスギ。 実は私の C のコードにも結構彼らのコードを参考にしている部分があります。 お金持ちで SSE とか E3DN とか使える CPU がディアルだ, みたいな人は是非使ってほしいものです。っていうか, 僕にもそういうのクレ。

8Hz

LAME の元になったエンコーダである。 元になったということはようするに古いということである。 メンテナンスもされていないし, ライセンスも怪しいので, 使わない方がいい, と, 8hz の開発者であり, 今は LAME の開発者の一人である Mark Taylor はいってます。ということで, 使わない方がいいでしょう:-)

LAME

さて, 自分の子どものような存在の LAME です。

速度に関しては結構いいセンいってると感じてます。 ここ一二カ月で音質を向上させてかつ20%以上速くなってるし, 私の実装コードでは464MHzのceleron においては午後のこ〜だより速いというふざけた状況に到達してます (これは MMX しかないマシンではそれほどアセンブラで最適化しようがないため)。

音質ですが, やはり FhG には勝てません。ほんのときたま, FhG の弱点となるファイルで勝負すると勝てる時もあるのですが, たいてい勝てません (笑)。が, 大抵の場合, 128kbps とかで問題のないファイルになっていることが多いですし, VBR も結構賢いファイルを出してくれます。VBR はまだまだ改良が必要だけど……

機能ですが, かなり太ってきたなぁと感じてます。 フィルタリングとかリサンプリングとかは外部プログラムでやるべきじゃないかなぁ, と僕は思っていたので, ちょっと無駄な機能までついている気がするんですが, 便利なのでいいでしょう (ポリシーのない奴)。

まぁ, 速度的にも bladeenc より速いし, bladeenc 互換インターフェースを持つ DLL ファイルとかにもなるし, CVS でプロジェクトが管理されていていつでも最新版がもらえるし…… と, たぶん, フリーでオープンなエンコーダとしては, 機能, 速度, 開発体制, どれをとっても最高のものだと自負しております。

と, 結局自画自賛して終わるのでした (笑)。

1999/11/28 MP3と著作権

このトピック, あまりにアレゲなのだが, ちと書いてみる。

世の中の人はどうも技術でコピーを縛る方向にあるようだ。 だがしかし, それは本質的解決ではないのはいうまでもない。 世の中には阿呆もいっぱいいるってのは, 何もこの世に24年も生き続けなくても, 早ければ4, 5年で気づくことである。 だから, そういう人達を防ぐ, 「できごころ」を防ぐ程度の手段を設けるのは反対ではない。

だが, そんなものはあくまでその程度で良い。今まである, ありがちな技術をちょっと応用して使えばいいのである。 DVD のように, 新規にダサイ機構を設けたために, 機械の値段が上昇し, 発売時期が伸びたりした挙げ句, 結局そのプロテクトが破られてコピーし放題, みたいなのは全く意味がない。

言うまでもないが, 本質的な解決方法は, 世間の人間に「著作権」という言葉の意味を理解させることにある。

ヒップホップ系のアーティストが好む言葉に, 「リスペクト」というのがある。 自分の好きなアーティストの, 昔の曲をサンプリングして, その上にラップを重ねる, なんて時に「リスペクトするアーティストの曲を…」 なんて彼らは言う。

今世の中に足りてないのは, この「リスペクト」じゃないだろうかと思う。 彼らはちゃんと, 元のアーティストに著作権使用許可を得た上で, こういった曲を演奏している (まぁ当然である)。

実際にものの一つも作れない, 文化能力も生活能力のない人間たちにはわかりもしないことだろうが, 本当にいい物を作るには魂を削るような作業が必要になる。 文化的創作物というのは削った魂を「入魂」するものなのである。

そういった, 自分もまた魂を削って物を作る人である, あるいはその辛さを知っているならば, たとえただでコピーし放題であったとしても, 作者の望む方法以外で配布したり, コピーしたりはできないはずである。

(脱線 : そういうわけで, LAME は 是非ともGPLかLGPLで配布して欲しい)

MP3 は音楽を入れるファイルのフォーマットでしかない。何の違法性はない。 コピーし放題だからといって, コピーしてしまうような人間は, SDMI のような方法で MP3 にコピープロテクションのような機能がついたところで, 結局 MP3 以外の何かで同じような行為をするだろう。

日本は文化小国だといわれる (らしい) が, 文化的創造物を作ることの素晴らしさと大変さぐらいは各自が知って欲しい物である。 そういったことがわかれば, 創造物を見て受ける感動も, 普通の数倍になるのは確実である。 そうすれば, 文化に対して金を払う気が起きる (パトロンが増える) し, 間接的に世界の文化発展に貢献できるはずである。


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