LAME は Lame Ain't MP3 Encoder の略です。 Ain't は学校で習わない英単語ですが, be not の口語表現です。そう, 「LAME は MP3 エンコーダでない」って言う意味です。 Lame A Mpeg-audio Experience の略だと言う人もいますが, まぁ, 本家にもある通り, 「GNU の偉大なる命名ルール」にしたがって付けられた, 前者を信じておきましょう。
事実 LAME は MP3 エンコーダではありません。MP3 エンコーダの配布には, すべからく MP3 の規格に含まれる特許の問題が付きまといます。 しかし, LAME は MP3 エンコーダではなく, ISO (MP3 の規格を決めている団体) の作った「MP3 エンコーダのサンプルソースコード」に対するパッチであり, また, パッチのみを非商用配布することによってこの特許問題を回避しています。
もっとも日本では, 問題になっている特許が成立していませんので, パッチではなく, エンコーダそのもののソースコードやバイナリを配布することが出来ます。
LAME の再配布ライセンスとして LGPL を採用すれば, LAME をライブラリ形式にコンパイルし, GPL 以外で配布される他のプログラムに動的リンクさせることも可能になります。
Windows での動作を考えるために, 今のところ configure は用意されていませんが, それほどコンパイルは難しくありません。
ただし, MP3 のような, 人間の音響心理特性を利用した非可逆圧縮を客観的に評価することは非常に難しく, 基本的に二重ブラインド法によるリスニングテスト以外では評価できないと言われています。 ということで, LAME はかなり音がいいと言われていますし, 私もそう思っていますが, ほんとにいいかどうかは, 自分の耳で確かめる以外方法はありません:-)
速度は結構速いと思います。最近のコードは私の魂のコーディング (笑) がつまっているので, C で書いてあるにしてはかなり速くなったと思います。
このように, 世界中の人からの協力を得て開発が進められるのは, 前述の特許侵害の回避策を講じているからです。 例えば, フリーな MP3 エンコーダとしてはかなり有名な bladeenc はソフトウェア特許を基本的に認めないスエーデンで開発されているため, 何の問題もなく堂々とフルソースが公開された形で開発されていますが, これは他の国の人はあまり堂々と使うことが出来ず, 開発にも携われないのです。
そういうわけで, LAME が「MP3 エンコーダでない」ことが, 世界中から様々な人の協力を受けて, 開発が進む原動力となっているのです。
もっとも MMX しかない CPU の場合は私のコードの方が速いんですけどね:-p